日本映画横断
私の印象に残った日本映画 BEST100  その後追加

順位 タイトル 監督 製作年 一言メモ
サンダカン八番娼館・望郷 熊井啓 1974 「つらい場面でカメラが寄っていく」と言われた演出が見もの。
2 仁義の墓場 深作欣二 1975 全編に漂う血の匂い、好き嫌いがハッキリ分かれる。
3 近松物語 溝口健二 1954 刑場に向かう長谷川一夫がすばらしい。
4 ふるさと 神山征二郎 1983 この美しい風景を見ると自然を壊してまで、ダムを造る必要があるのだろうか?
5 サード 東陽一 1978 寺山修司脚本、主人公の母親役の島倉千代子がひかる。
6 祭りの準備 黒木和雄 1975 脚本を担当した中島丈博の自伝的作品、からみの多い中新人竹下景子が初々しい。
7 十三人の刺客 工藤栄一 1963 いわゆる集団時代劇の金字塔、濛々とした殺気がこの時代の雰囲気か?
8 愛を乞うひと 平山秀幸 1998 暴力の連鎖を鋭く告発する。今最も注目の中堅監督
9 阿弥陀堂だより 小泉堯史 2002 2002年最良作。長野の自然と老人たちの織り成す人間ドラマ。ゆったりとした気分で鑑賞するとまた一味違った、味わいがあると思う。
10 (秘)色情めす市場 田中登
1974 いわゆる日活ロマンポルノの一本、営業とは言えひどい題名を付けたものである。当時、田中監督は幼い子供を亡くしこの映画に、怨念を込めるがごとく演出する。大阪西成に持ち込んだカメラは一人の娼婦の行く末を優しく見つめる。村田英雄の「王将」が流れるラストシーンは衝撃を受ける。
11 竜二 川島
1983 ガンで若くして逝った主演金子正次の遺作。とっても勇気のある永島瑛子の最高作でもある。
12 火まつり 柳町光男 1985 一種異様な雰囲気が漂う映画である。差別と偏見が支配する共同体が崩壊していく過程がじわっと描かれる。私の地方の言葉で言うと「おそがい」映画である。
13 ボクサー 寺山修司 1977 寺山のボクシング論がおもしろい。J・Aシーザーの音楽がすばらしい。
14 東京物語 小津安二郎 1953 世界中が分析し尽くした映画。深い絶望と寂寥感はどの世代でも理解できよう。
15 泥の河 小栗康平 1981 「遊びにきたんか」子供のセリフが切ない。貧しい時代の日本がそこにはある。加賀まり子の復活がうれしい。
16 ア・ホーマンス 松田優作 1986 監督交代という不幸な形で公開された作品。しかしながら、凝りに凝った優作作品の中でも異色のクリーンさを持つ。私は未だにベスト作だと信じている。
17 冬の華 降旗康男 1978 高倉健主演。任侠映画がやや下火になった時期に公開。セリフのない小林稔侍が実にかっこいい。
18 帰らざる日々 藤田敏八 1978 長野県飯田市を舞台にした辛口青春もの。
19 七人の侍 黒澤明 1954 アクションを思想にまで゛高めたと言われたのは、クロサワだけ。
20 みな殺しの霊歌 加藤泰 1968 犯罪とやさしさは紙一重、倍賞千恵子主演。知られざる名作。
21
神々の深き欲望 今村昌平 1968 神話的な島を舞台にした膨大な物語。今村作品で未だにこの作品を超えたものはないと思うのですが・・・。
22 海潮音 橋浦方人 1980 山口果林の代表作。可憐な荻野目慶子もとってもいい。
23 ひめゆりの塔 今井正 1953 男の論理で始まる戦争。如何なる理由付けも意味がない。
24 切腹 小林正樹 1962 HARAKIRIという題名で海外公開される。竹光での切腹はやはり痛そう。
25 二十四の瞳 木下恵介 1954 涙の裏にリベラリストの顔が覗く。
26 無常 実相寺昭雄 1970 AVなき時代「芸術エロ」としてATG映画が一定の役割を果たす。最大のヒット作。
27 Keiko クロード・ガニオン 1979 外国の映画監督が日本女性をきっちり描いていることの驚き。
28 飢餓海峡 内田吐夢 1964 津軽海峡を境に深い差別に翻弄される男と女。三国連太郎と左幸子の演技もすごいが家族との溝に泣く老刑事、伴淳三郎一世一代の名演技。
29 雨月物語 溝口健二 1953 宮川一夫のカメラに酔える。
30 萌の朱雀 河瀬直美 1997 素人をほんとにうまく使っている。
31 となりのトトロ 宮崎駿 1988 宮崎アニメの中でも一番の完成度。中高年にも楽しめる。
32 少年 大島渚 1969 熱心な大島映画ファンですが、再度見ることは辛いものがある。この主人公の少年は本当に凛々しい。
33 東京流れ者 鈴木清順 1966 意図的に(?)省略した編集が余り気にならない歌謡曲映画。
34 刺青一代 鈴木清順 1965 清順美学と言われる色彩満載。晩年の芸術的作品群は独りよがりの感じがするのですが?
35 約束 斎藤耕一 1972 若者と中年女との切実な恋物語。映画ファンでよかったと思える逸品。
36 赤いハンカチ 舛田利雄 1964 裕次郎映画ではこれがベストワンです。
37 白い指の戯れ 村川透 1972 日活ロマンポルノの初期の傑作。主演の才人、荒木一郎はいまいずこ。
38 青春狂詩曲 中山節夫 1975 高校を舞台にしたこれぞ教育映画。
39 八月の濡れた砂 藤田敏八 1971 当時の映画青年を熱狂させた伝説の映画。
40 裸の十九才 新藤兼人 1970 連続射殺魔・永山則夫の映画化。
41 野菊の如き君なりき 木下恵介 1955 信州の風景が実に哀しく感じられる。下記の「聖子」判との比較も面白い。
42 野菊の墓 澤井信一郎 1981 松田聖子の映画と侮るなかれ。「くささ」を取った澤田演出は見事。
43 キッズ・リターン 北野武 1996 たけしの素直さが出ていて一番好感が持てる。
44 乾いた花 篠田正浩 1964 先にコマ、先にコマと呪文のように唱える、賭場の場面が印象に残る。
45 一条さゆり 濡れた欲情 神代辰巳 1972 玄人筋に大絶賛を受けたストリッパー物語。高橋明歌うところの「なかなかずくし」に乗って軽快なテンポで展開する。
46 さすらいの恋人 眩暈(めまい) 小沼勝 1978 小沼監督が得意とするSM物は苦手ですが、この作品はいい。ポルノとしての前提があるがためそんなに綺麗な女優さんを使えない。そこを逆手にとった庶民の恋物語に仕上げている。劇中に流れる中島みゆきの「わかれうた」が一層盛り上げる。
47 (秘)女郎責め地獄 田中登 1973 アート系ロマンポルノ。故林美雄氏が深夜ラジオ番組「パックインミュージック」て゛絶賛していたのが懐かしい。
48 人間の条件 五部作 小林正樹 1959
〜1961
日中戦争を舞台にした戦争と人間の本質に迫る膨大な作品。今作っておかなければという切実感が伝わる。佐藤慶の鬼軍曹が怖い。
49 影の車 野村芳太郎 1970 因果応報・子供の中に潜む残酷さにかつての自分をみる。 
50 四年三組のはた 藤井克彦 1976 ポルノを作りながら一方では、児童劇映画を撮る日活の不思議。
51 ともだち 澤田幸弘 1974 ちよっとおませな子供の活躍が日活らしい。
52 ヒポクラテスたち 大森一樹 1980 医大を卒業した監督の代表作。伊藤蘭が実質一人立ちした作品。
53 女囚701号 さそり 伊藤俊也 1972 梶芽衣子、衝撃の出世作。但し強烈なイメージのため方向転換が出来ず、一時苦悩しているように感じられた。
54 博奕打ち 総長賭博 山下耕作 1968 三島由紀夫が絶賛して有名になる。私生活でも犬猿の仲である鶴田浩二と若山富三郎の葛藤がすさまじい。
55 のど自慢 井筒和幸 1999 のど自慢に集う人々を手際よくまとめている。
56 お葬式 伊丹十三 1984 なぜ監督は自殺で幕を引いたのだろうか? 一貫して体制側からの映画であった結果、闇から圧力は相当なものだったことがうかがえる。
57 異人たちとの夏 大林宣彦 1988 優しさに満ちた大林作品。名取裕子のおばけが魅力的。
58 キューポラのある街 浦山桐郎 1962 主演の吉永小百合にはこれ以上の作品はない。
59 おとうと 市川崑 1960 暗く寂しい姉弟の物語。「うっすらと寂しいのはやり切れない」
60 神様のくれた赤ん坊 前田陽一 1979 ほとんど喜劇しか撮らなかった監督。涙なくしては見られない傑作。
61 大地の子守歌 増村保造 1976 理詰めのオーバーアクションを得意とした監督。晩年まで創作意欲が衰えなかった。原田美枝子力演。
62 狂った野獣 中島貞夫 1976 映画界随一のエリート監督。どんな作品も器用にこなすも真の傑作は多くない。
63 0課の女 赤い手錠 野田幸男 1974 不良番長シリーズを延々と撮ってきた監督唯一の傑作。
64 砂の器 野村芳太郎 1974 子役がとってもいいため泣かせる映画に仕上がっている。涙を流す変な刑事・丹波哲郎もこれでいいのかもしれない。
65 下町の太陽 山田洋次 1963 けなげな下町娘を倍賞千恵子が好演。
66 霧の旗 山田洋次 1965 滝沢修の重厚な演技が格調をもたらす。
67 さらば夏の光よ 山根成之 1976 郷ひろみの役者としての才能を改めて認識した作品。
68 遺書 白い少女 中村登 1976 芝居心がある桜田淳子、宗教に走ったのは残念。
69 伊豆の踊子 西河克己 1974 古風な作品に出続けた百恵、引退後の生活を見ると制作側の読みが当たっていたことがわかる。
70 無頼より 大幹部 舛田利雄 1968 渡哲也扮する「人切り五郎」の大活躍のシリーズ物の初作。東映の任侠物より軽さが信条、山本直純の主題歌がいい。
71 剣と花 舛田利雄 1972 近親相姦風の兄妹愛を描く。新藤恵美が絶品である。一生に一度こんな作品に出会えれば幸せではないでしょうか。
72 人間革命 舛田利雄 1973 創価学会の全面協力による映画。タイアップ映画にありがちな遠慮めいたものがなく、立派な宗教映画になっている。
73 処刑の部屋 市川崑 1958 若尾文子主演。後年彼女が言うには、「作品の評価と自分の好き嫌いがかなり違っている」と、この過激な作品など最も嫌いな部類だろう。映画は監督のもの、舞台は女優のもの。そんな言われ方もする。
74 ザ・レイプ 東陽一 1982 天才肌の田中裕子を生かしきった作品を作ってほしいものだ。
75 風の谷のナウシカ 宮崎駿 1984 思想的には頂点の作品。
76 青春の蹉跌 神代辰巳 1974 不定形の芝居を得意とした、萩原健一と桃井かおりによってかなり風変わりな青春映画に仕上がった。
77 うれしはずかし物語 東陽一 1988 川上麻衣子主演なのに中年夫婦寺田農、本阿彌周子が圧倒的にいい。艶笑話をこれだけあけすけに、且つ品よく(?)まとめたのは監督の力量。
78 鬼火 望月六郎 1997 この監督奥田瑛二と組んでアウトローの面白いものを撮っているのだが、もうひとつふっきれない。今後に期待したい。
79 人情紙風船 山中貞雄 1937 戦前の映画なれど古さ感ぜず。
80 ガメラ 大怪獣空中決戦 金子修介 1995 初代ゴジラを超えたのはこの映画だけでしょう。
81 家族ゲーム 森田芳光 1983 由紀さおりがいい味を出す。
82 リング 中田秀夫 1998 伝統的な幽霊物と違った怖さ。
83 震える舌 野村芳太郎 1980 監督が何を狙ったか良くわからない映画。子供の病気を恐怖仕立てに描く。珍品
84 遠雷 根岸吉太郎 1981 農村を舞台とした重い映画。
85 太陽の王子 ホルスの大冒険 高畑勲 1968 シブリ作品の原点が垣間見えてとっても興味深い。
86 OUT 平山秀幸 2002 日常がある時犯罪に変わる。そして、徐々に高揚してゆく女たちが眩しい。
87 ザ・中学教師 平山秀幸 1992 石部金吉風の長塚京三がうまい。教師を誘う風吹ジュンが実に色っぽい。
88 忍ぶ川 熊井啓 1972 病弱な監督が執念で作り上げた傑作。加藤剛の愚直なまでの想いがすがすがしい。
89 いつかギラギラする日 深作欣二 1992 カーアクションが目玉ながら、すでに「仁義なき戦い」シリーズの後半にかなり思い切った事をやっている。黒尽くめの殺し屋、原田芳雄最後まで彼とはわからず意義ありとの声あり。さらに、スキャンダルの渦中の荻野目慶子が痛々しい。
90 胎児が密猟する時 若松孝二 1966 いわゆるピンク映画の巨匠と言われる監督の作品。赤軍に行った足立正生のシナリオが実に謎々だらけ。山谷初男主演
91 マタギ 後藤俊夫 1982 動物ものでは、これが一番。孤高の老人西村晃がいい。
92 書を捨てよ町へ出よう 寺山修司 1971 若き天才小僧、寺山のもとに集まった面々がユニーク。主演はまったくの素人、父親役が映画評論家の斎藤正治、後に日活ロマンポルノ裁判を闘った後、アパートで孤独死。女医役の鈴木いずみは自殺。
93 アドレナリンドライブ 矢口史靖 1999 若手監督の有望株。全編爽快感に溢れる。
94 直撃 !地獄拳 石井輝男 1974 ブルースリーの影響を受けて、粗製濫造された空手映画の中でも出来のいい一作。
95 小さなスナック 斎藤耕一 1968 日本には、ミュージカル映画が根付かない代わり歌謡曲映画という不思議なジャンルが存在する。パープル・シャドーズの面々が若々しい。
96 天使のはらわた 赤い教室 曾根中生 1979 若き日の水原ゆう紀は、壮絶なまでの美しさを持っていたが、近頃のテレビサスペンス物での姿は見るに忍びない。
97 警察日記 久松静児 1955 CG全盛のハリウッド映画ばかりが映画ではない。昔の薄ぼけた白黒日本映画の中の方が魂があると思うのです。二木てるみの天才子役が泣かせる。
98 丑三つの村 田中登 1983 古尾谷雅人の殺人鬼が実にユニーク。≪古尾谷自死す、彼の最高傑作は間違いなく「丑三つの村」。異能が生きにくい「今」、奥様「鹿沼えり」さんともどもひどくにっかつ作品が懐かしい。≫
99 生きる 黒澤明 1952 誰にでも平等にやってくる死。説教臭くないのがいい。
100 午後の遺言状 新藤兼人 1995 これだけの高齢になって、なお若々しい映画を撮る監督には頭が下がる思いです。
101 喜びも悲しみも幾歳月 木下恵介 1957 人生の苦労話を幾らされても白けるばかり。などと高をくくりながら見始めたこの作品、涙の土つぼにはまり込んでとんでもないことになってしまった。
102 座頭市 北野武 2003 たけし映画の最高傑作。というよりも戦後日本映画の財産とも言うべき驚愕の仕上がりです。タップのリズムが実に心地よい。
103 マタギ 後藤俊夫 1982 西村晃のマタギがすばらしい。猟犬の扱い方に批判が出ようとも、動物映画としては最高の仕上がりを見せる。
104 四月物語 岩井俊二 1998 小品ながら好ましい傑作、松たか子が初々しい。
105 血と骨 崔洋一 2004 圧倒する暴力が昇華される過程に、女優陣の頑張りが重要な役割を果たす。朝鮮半島との関係が微妙であればあるほどこの映画は輝きを増す。
106 パッチギ 井筒和幸 2005 大団円が見事な出来、ハッピーエンドに監督が託す未来の日本。
107 沓掛時次郎
遊侠一匹
加藤泰 1966 長谷川伸原作 渡世人の虚しさを絶頂期の中村(萬屋)錦之助が好演。
108 関の弥太ッペ 山下耕作 1963 上と同じく長谷川伸原作、中村錦之助主演の名作。十朱幸代が美しい。
109 ALWAYS 三丁目の夕日 山崎貴 2005 見事な時代考証、時代が主役。膨大な涙を流させる罪な映画とも言えよう。麻木久仁子がこんなにいい女優だったとは驚きでした。
110 スウィングガールズ 矢口史靖 2004 楽しい!楽しい!傑作ジャズ映画、音響の良い映画館で絶対見るべきです。
111 フラガール 李 相日
2006 ど迫力のフラダンスシーンに圧倒される。希望のがなかなか見出せない今、若い人が語る未来に大人は責任が持てるのだろうか? 真の傑作映画に立ち会えた喜びを感じている。
112 破戒 市川崑
1962 主人公丑松の慟哭を聞け。身分差別を具体的に描いた秀作。
113 チルソクの夏 佐々部清 2003 やや地味な主人公二人を取り囲む脇役陣がすばらしい。とりわけ山本譲二の売れない流しの演歌師に感情移入してしまう中年の人が多かろう。
114 長い散歩 奥田瑛ニ 2006 この映画は、ドン詰まりの人たちに゛果たして゛勇気を与えるのだろうか?
天使の羽に込めた監督の想いをしばし考えたい。
 誰もが陥るであろう「地獄」を冷静に見つめた、渾身の一作。
115 結婚しようよ 佐々部清 2008 強烈な拓郎賛歌。今の時代に敢えて「ハッピーエンド」の映画の意味は?
病床の拓郎は、この映画をどう見るのか聞いてみたい。
116 裸の島 新藤兼人 1960 人の生活とはこの映画のような「無意味」な事の繰り返しかもしれない。それでも私たちは生きていかなくてはならないのだ。
やはり子供の死は辛い。
117  「22才の別れ」 Lycoris 葉見ず花見ず物語 大林宣彦 2007 この曲が流れるだけでウルウルしてきてしまう。泣かせることが得意だった木下恵介監督のような展開が私にはとっても気持ちが良かった。元気の出る映画

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